富士山

2020年3月1日 at 14:32


  【Roky田中氏のカレンダー写真より】


     田子の浦ゆ うち出でてみれば

       真白にそ 不尽の高嶺に 雪は降りける


有名な山部赤人の歌です。

「浦ゆ」の「ゆ」は、「より、とおって」の意味だそうで、
壮大な富士が見えてくる動的な感動を伝える叙景歌の絶唱ですね。

幸いなことに、冬晴れの朝は、庫裏の二階の書斎の窓から、天竜川の土手のむこうに朝日を拝み、
その朝日に染まる紅富士を拝むことができます。

ただ、見えるのは頂上あたりだけで裾野は見えません。
やっぱり、富士山の美しさは豊かな裾野の広がりにあるでしょう。


「泰山は土壌を譲らず、故によくその大を成す」という言葉が『史記』にあります。

中国の名山・泰山は、どんな小さな土くれでも受け容れて大きな山となったという意味です。


「あるがままをあるがまま受け容れる」

霊峰富士山のように、絶対の受容体としてゆったりと毅然と在りたいものです。